
双子を妊娠したら知っておくべき6つのポイント
赤ちゃんを授かることは、多くの方にとって嬉しい出来事でしょう。
そして、お腹の赤ちゃんが2人なら、喜びも2倍になるかもしれません。しかし、お腹の赤ちゃんが2人ということは、赤ちゃんが1人の時と違うことや、気を付けなければいけないことも多いです。
ここでは、双子を妊娠した時に、お父さん・お母さんが知っておいた方が良いことをまとめてみます。
1.はじめに
双子の赤ちゃんを授かったことは、とても喜ばしいことです。
しかし、双子妊娠は異常妊娠の1つであることを、必ず頭に入れておいて下さい。母体にとってもお腹の赤ちゃんにとっても、赤ちゃん1人の単胎妊娠よりも、妊娠・出産時のリスクが高いということです。
この為、妊娠期間の過ごし方や注意点、産前産後の準備やお産の時に備えて、お母さん自身がしっかりと勉強し、正しい知識を身につけることが大切になります。
2.双子はどうしてできるのか?
まずは、双子ができる仕組みについてのお話です。
双子は、一卵性双生児と二卵性双生児がいます。一卵性双生児は、卵子1つに対し精子1つが受精し、細胞分裂の段階で、受精卵が2つに分かれて出来ます。
赤ちゃんの性別は必ず同性になり、お母さんの年齢や遺伝的な要素は無関係だそうです。一方、二卵双生児は卵子2つに対し、精子2つが受精し出来ます。
赤ちゃんの性別は同性の場合も異なる場合もあり、妊娠時に年齢の高いお母さんに起きやすく、遺伝的要素が関係している場合も多いそうです。
また、不妊治療をしている場合にも、双子が出来る確率が上がるようです。これは、排卵誘発剤の使用によるもので、薬の作用によって2つ以上の卵子が排卵される為だそうです。
3.双子の種類
前述で、一卵性双生児と二卵性双生児の違いについて延べましたが、同じ双子妊娠でも、妊娠状態の違いがあります。ここでは、お腹の赤ちゃんの状態の違いについて、詳しく見ていきましょう。
・2つずつ
お腹の中で赤ちゃんの為の胎盤もお部屋も、2つずつあるタイプです。
DD双胎とも言い、赤ちゃんそれぞれの栄養源である胎盤が別々になっていますし、お部屋も別々の為、赤ちゃん同士のへその緒が絡まる心配もありません。双子妊娠の中でも、比較的リスクが低い形です。
・1つと2つ
これは、胎盤が1つで、お部屋が2つあるタイプです。胎盤が1つのため、栄養源を2人の赤ちゃんが共有します。
MD双胎とも言い、双胎間輸血症候群などのリスクがあります。なお、双胎間輸血症候群などのリスクについては、後で詳しい内容の載っているURLを添付します。
・1つだけ
赤ちゃん2人に対して、胎盤もお部屋も1つのタイプです。MM双胎とも言い、双子妊娠の中でも珍しい形だそうです。
2人の赤ちゃんが栄養源である胎盤を共有すると共に、お部屋も同じである為、お互いのへその緒が絡みあったりする危険性があります。
4.双子妊娠のリスク
母体や赤ちゃんの状態などによる個人差も大きいですが、妊娠して安定期以降になると、たくさん歩くようになど、一般的には体を動かすように勧められることも少なくありません。
しかし、双子の妊娠の場合は全く違います。早産防止の為にも、赤ちゃんをお腹の中にできるだけ長く留めておくことが、大切になります。
また、全体的に双子妊娠の方が、妊娠中のお腹の張りが出やすい傾向があるようです。この為、たとえ妊娠経過が順調であっても、油断は禁物です。
他に、赤ちゃん1人の妊娠よりも、流産・早産・妊娠糖尿病など、様々なリスクが高くなる傾向があります。十分に気をつけて、妊娠期間を過ごして下さい。
5.準備
前述のリスク面などからも、双子妊娠の場合は、安定期は無いと考えた方が良いです。
また、いつ緊急入院や管理入院になるか分かりませんし、出産後しばらくは、お母さん本人は動けないことも多いです。
この為、入院・出産準備や、赤ちゃんが生まれた後の家庭で過ごす準備は、早めに済ませておいた方が良いでしょう。
なお、詳しい事については、双子の先輩お母さん達の、インターネット上の情報を下記にまとめます。
- 仕事をしている場合は、どうするか。休職なのか退職なのかなども含め、急なことで仕事が出来なくなった場合に備えておく必要があります。
- 上の子がいる場合は、どうするか。実家に預かってもらう、地域の公的サポートを受ける、幼稚園・保育所に通っている場合は、送迎の問題などもありますので、家族間でしっかり話し合っておきましょう。
- 緊急入院・管理入院になった場合の行動や、家の中の事について、パートナーやご主人とよく話し合っておきましょう。いざと言う時に、皆が慌てずに対応できるようにしておけると良いですね。
- 実家や家事代行サービスなど、入院中や産後の家事などを手伝ってくれる人を確保する。なお、家事代行サービスは、地域によっては双子以上の多胎児の場合、無料で引き受けてくれる所もあるそうです。事前にしっかり情報収集しておきましょう。
- ネットスーパーや生協など、買い物に行けない場合の生活必需品調達ルートを確保しておく。
- 生まれてくる赤ちゃんの名前は決めておく。乳幼児医療の関係で、早産の場合は、出生届の一般的な期限である2週間の猶予が無いとのことです。
- 事前に用意できる物は用意しておく。特に最初の子どもですと、生まれたら必要な物が色々とあります。入院・出産に必要な物や、チャイルドシートや新生児用の衣服、ミルクなら哺乳瓶など、退院後にすぐに必要になりそうな物は揃えておいた方が良いです。
6.病院と出産
・病院
出産する病院に、NICU(新生児特定集中治療室)があることが、何よりも一番大事です。
双子の出産は、通常よりもお母さんの体からの出血が多い傾向があります。他にも、出産中にどのような緊急事態が起こるか分かりません。
双子の赤ちゃんは、出生体重が2000gあれば、まず大丈夫だそうですが、それでも低体重児であることには違いありません。
この為、出産中に何か問題が起こっても、新生児をしっかりケアできる設備と、新生児医療の知識を持つ小児科医が揃っている病院での出産が良いでしょう。
・出産
出産方法は色々とありますが、大きく分けて自然分娩と帝王切開です。
これは、双子でない場合も同じですね。ただ、双子妊娠の場合、病院によっては安全面を考慮して、帝王切開のみの対応という所もあるそうです。
お母さんの体力やお腹の赤ちゃんの状態など、総合的に考えて、かかりつけ医とよく相談しましょう。かかりつけ医が、どのような方針なのかを確認しておくことも大切です。
出産時間そのものは、双子だから倍になるということは無いようです。最初の赤ちゃんが出るまでに時間がかかることはありますが、これは双子でなくても同じです。
双子出産の多くの場合は、1人目が生まれたら、2人目はその後の1時間以内に生まれるケースが多いようです。早い場合は、数分以内というケースもあるそうです。
7.出産後
出産後は、お母さんの体が回復しない内から、授乳や赤ちゃんのお世話が始まります。
赤ちゃん1人でも大変なところですが、双子ならその大変さは、2倍かそれ以上かもしれません。
これは、筆者の個人的経験(双子ではありませんが)に基づく考えですが、出産後の入院中は、赤ちゃんのお世話はできるだけ病院スタッフにお任せして、お母さんは休んだ方が絶対に良いです。
もちろん、任せっ放しというわけにはいきませんが、夜間授乳だけでも免除してもらう、昼間に寝る時間を作るなど、少しでも体を休める工夫をして下さい。
筆者は、最初の子どもということもあり、産後すぐから変に頑張ってしまいました。その為、産後の体がなかなか回復せず、退院後にとても後悔・苦労しました。退院したら、寝不足と疲労困憊の嵐です。
これだけは、強くお勧めします。
また、双子の出産の場合は、自分で思う以上に、体に負担がかかっていることと思います。特に管理入院が長かった場合は、一段と体力が落ちていることが多いです。
できるだけ、周囲のサポートを受けながら、少しずつ普段の生活を取り戻していきましょう。この時期に無理をすると、回復が一層遅くなり、つらい日々が長引きます。
最後に
ここでは、双子の場合に限定して取り上げましたが、3つ子やそれ以上の多胎妊娠・出産に当てはまることも多いです。
双子を含む多胎妊娠はリスクも高いですが、正しい知識を持っていれば、何か問題が起こった時も、より良い対応ができると思います。
リスクのことは常に頭に入れつつも、ぜひ、その時にしか味わえない、お腹に赤ちゃんがいる時間を楽しんで下さい。
そして生まれたら、赤ちゃんの成長を家族で見守ってあげて下さい。1人だけでも可愛い赤ちゃんが、双子なら2人もいます。大変さも倍増かもしれませんが、こんな素敵なことはありません。